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約10年ぶりのアメリカ上陸。ニューヨークでの生活、写真。


by NYlawyer

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ニューヨーク金融業界の危機感

アメリカ上院議員のCharles Schumer とニューヨーク市長のMichael Bloombergが、国際金融市場におけるアメリカの強みが失われつつあることを警告する報告書をコンサルティング会社マッキンゼーの協力の下作成し、それが本日公表された。
・NYimesの記事:New York Officials Seek Change to Stay Competitive 

確かに、去年の中ごろから、アメリカ・ウォール街の競争力が弱まっているのではないかという論調の報道をちらほらされていた(参考資料は、このページの脚注を参照:Speech by SEC Commissioner:Remarks Before the American Electronics Association Classic Financial Conference November 7, 2006

エグゼクティブ・レポートを参考にざっと要約すると、内容は以下のとおりである(報告書全文PDFはこちら:"Sustaining New York's and the US' Global Financial Services Leadership.")。

現状認識
・アメリカの金融業はグローバルな競争力を失う恐れがある。
・雇用創出力はいまやロンドンに追い抜かれている。
・ヘッジファンド・ビジネスもいまやロンドンに魅力を感じている。
・成長のペースは、(日本を除く)アジア太平洋及びイギリスに遅れを取っている。
・IPOやレンディングといった伝統的なファイナンスのみならずデリバティブや証券化といった新しい金融商品のイノベーションはヨーロッパで盛んである。

原因
競争力を失いつつある原因として、「規制」と「訴訟」の2点を特に指摘している。
・「規制」とは、内部統制制度をはじめ企業に大きな負担を強いていると近時批判されているサーベンス&オクスリー法のことである。
・「訴訟」とは、企業に開示書類の作成及びその後の訴訟への対応でこれまた大きな負担を強いているとの批判のある訴訟制度のことである。

対策
・サーベンス&オクスリー法の規制を緩和する(特に中小企業と外国企業について)。
・証券訴訟のクラスアクション制度について一定の制限する。
・専門的スキルを有している人材を他国から受け入れる。
・国際会計基準のハーモナイゼーションを推進し、BIS規制・バーゼルⅡを受け入れる。

**
もちろん政府レベルの話と民間レベルの話は別だし、これが直ちに国家政策になるわけではないのだが、証券取引所その他の取引所の提携・買収を積極的に仕掛けているのを見ていると、アメリカには相当のアドバンテージがあるように傍からは見えるが、本人たちは10年後のアメリカ金融業界について、結構真剣に憂いているようである。

テクニカルな対策はさておき、ここで注目すべきは「専門的な知識を持った移民を積極的に受け入れるべき」と唄っている点である。移民を受け入れて国の活力にして行くという移民国家のモデルは、今日もまだ生きていることを再認識されられる。もっとも、移民の受け入れについては、テロ対策とも相俟って政治的にも微妙なイシューであろう。また、金融業こそがアメリカ経済の繁栄を支えてきたというアメリカ人の歴史認識も、特徴的だ。

もちろん、これら2点は、日本という国の成り立ちとは決定的に異なっている。しかし、だからといって日本が何もしなくて良いということにはならないだろう。少なくともアメリカが抱いている以上の危機感を有していなければならないはずだ。日本版ビッグバンの時はそれなりに議論が盛り上がったと記憶しているが、その後は金融危機でそれどころではなかったし、そもそもニューヨークを脅かしているのがロンドンだけでなく、香港、そしてシンガポールであると聞くとき、少し寂しい気がするのだが。

ところで、なぜ今なのか?BRICKS脅威論?あるいは、ブルームバーグの大統領選出馬への布石?と思ったのだが、よく見るとCharles Schumerは民主党のようだし、ブルームバーグはもともと共和党だから、ちょっと穿った見方だろうか。エンロン・ワールドコム事件の後の対応がやや拙速であったという認識(反省)の下で、大きな意味での調整機能が働こうとしているのか知れない。そうだとすると、少し羨ましい。しかし、何が違うからこうも違うのだろうか。
ニューヨーク金融業界の危機感_e0036628_12223593.jpg

(画像はEconomistのサイトより)
by NYlawyer | 2007-01-23 12:13 | Law and Business