約10年ぶりのアメリカ上陸。ニューヨークでの生活、写真。
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Private Benefit of Controlとニッポン放送事件
(追記あり)
前回のRestructuring Firms and Industriesは、Voting, Ownership, and the Value of Controlがテーマ。
Voting System, Dual-class Stock, Proxy Fightなどを概観するのだか、その中に、Block Ownershipというテーマがある。
5パーセント以上のまとまった数の株式を保有することで得られる会社のコントロールをどう考えるかということだが、この分析に、担当教授の信条が色濃く出ている。
株式をまとまった数で売ると(block trade)一定のプレミアムがつくのだが、これはどう説明できるのかという問いに教授はこう答える。
教授は続けて、こんなこともいう。
しかし、ここから先はかなり??である。
Family CapitalismとBank system based Capitalismというお約束の(?)比較論のようなものも登場したが、アジアではFamily Capitalismが支配的であり(韓国のロッテ財閥が例に出される。)、日本はそんなアジアの中でもちょっと変わっていて("odd")、Family Capitalismではなくドイツ型の銀行中心の株式持合いが支配的で銀行がCircular Ownershipの主導的役割を担っているというのだ。だから「本当のCapitalismというのはUS、UK、Australiaくらいだね」と紹介していた。もうここまで来ると、「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!?」という感じである。
すでに分かるとおり、彼は最近の日本での「株式持合いの解消」という現象を明らかにフォローしていないわけで、先のカトリック-プロテスタントの比較もそうだが、こういう一種のステレオタイプの見方しか紹介しかできない点は、「学者としての真摯さ」を疑わせる気がしてならない。しかも、これは「僕が言っているんじゃなくてそういう研究があるんだよ」と微妙にヘッジしつつも、過去の試験ではblock tradeに伴うプレミアムについては上記のような説明が回答としては求められるのだから、始末が悪い(?)。
==================
2月20日の日経朝刊にあるニッポン放送の新株予約権第三者割当発行差止めのケースの抗告審で裁判長をしていた鬼頭氏のインタビューでは、不公正発行にあたらず買収防衛策として認められる場合である「③ 会社経営を支配した後に、当該会社の資産を当該買収者やそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資として流用する予定で株式の買収を行っている場合」は、LBOを指すことをほとんど明示的に認めている。
(追記)コントロールプレミアムについて紹介された論文は、Barclay and Holderness(‘89)とスライドに書いてあったのですが、SSRNではヒットしません。まだ読んでいませんが、内容的には、同じ学者の、The Block Pricing Puzzleが近い気がします。
前回のRestructuring Firms and Industriesは、Voting, Ownership, and the Value of Controlがテーマ。
Voting System, Dual-class Stock, Proxy Fightなどを概観するのだか、その中に、Block Ownershipというテーマがある。
5パーセント以上のまとまった数の株式を保有することで得られる会社のコントロールをどう考えるかということだが、この分析に、担当教授の信条が色濃く出ている。
株式をまとまった数で売ると(block trade)一定のプレミアムがつくのだが、これはどう説明できるのかという問いに教授はこう答える。
それは、株式をまとまった数で持っているとprivate benefit of control、すなわち会社のコントロールを得ることで個人的な利益・便益を得ることができるからだ。持ち株比率が高ければ高いほど会社経営に対する影響力が高まり、企業価値を高めることに貢献でき、これはそのまとまった株式の保有者にも利益になるから、これはまあ、そうかなと思う。
教授は続けて、こんなこともいう。
会社法制や司法制度が整っていない国ほど、このプレミアムは高くなる。なぜなら、そういう国では株主が勝手なことをしても法がきちんとこれに対処することができず、大株主が好き勝手な行動をとることを許してしまうからだ。少数株主も適切な保護を受けることができない。何だかアメリカはこういうシステムが整っているのだという匂いがプンプンしてきたが、開発途上国では(独裁)政権に近い一族郎党でビジネスを独占的に仕切っているという実態もあることだから、この説明もまあ分かる。
しかし、ここから先はかなり??である。
だからカナダとアルゼンチンのblock tradeに伴うプレミアムを比べればアルゼンチンの方が高くなる。残念ながら、僕はカトリック系の国とプロテスタント系の国とでそういう比較が本当にできるのか実証的に反論する能力を持ち合わせていない。しかし、これまた残念ながら、ちょっと眉唾な単純明快な主張をする学者は、実はアメリカには結構多いのだ。
カトリック系の国とプロテスタント系の国で比べれば、カトリック系の国の方がquality of lawが低いから、プレミアムは高くなる。
Family CapitalismとBank system based Capitalismというお約束の(?)比較論のようなものも登場したが、アジアではFamily Capitalismが支配的であり(韓国のロッテ財閥が例に出される。)、日本はそんなアジアの中でもちょっと変わっていて("odd")、Family Capitalismではなくドイツ型の銀行中心の株式持合いが支配的で銀行がCircular Ownershipの主導的役割を担っているというのだ。だから「本当のCapitalismというのはUS、UK、Australiaくらいだね」と紹介していた。もうここまで来ると、「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!?」という感じである。
すでに分かるとおり、彼は最近の日本での「株式持合いの解消」という現象を明らかにフォローしていないわけで、先のカトリック-プロテスタントの比較もそうだが、こういう一種のステレオタイプの見方しか紹介しかできない点は、「学者としての真摯さ」を疑わせる気がしてならない。しかも、これは「僕が言っているんじゃなくてそういう研究があるんだよ」と微妙にヘッジしつつも、過去の試験ではblock tradeに伴うプレミアムについては上記のような説明が回答としては求められるのだから、始末が悪い(?)。
==================
2月20日の日経朝刊にあるニッポン放送の新株予約権第三者割当発行差止めのケースの抗告審で裁判長をしていた鬼頭氏のインタビューでは、不公正発行にあたらず買収防衛策として認められる場合である「③ 会社経営を支配した後に、当該会社の資産を当該買収者やそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資として流用する予定で株式の買収を行っている場合」は、LBOを指すことをほとんど明示的に認めている。
「LBOでは事業の相乗効果を証明するなど、株主価値を損なわないことを証明しない限り正当な買収とは認められないと考えるべきだ」ちょっと偏った信条の持ち主である教授の主張にも首を傾げてしまうのだが、上記の当時の裁判長の主張にも首を傾げてしまう。特殊な資本主義国の一例として挙げられてしまうのだろうか、それとも、裁判所がここまで介入してくるとQuality of Lawが高いことになって賞賛されるのかしらってなんて思ったりします。
(追記)コントロールプレミアムについて紹介された論文は、Barclay and Holderness(‘89)とスライドに書いてあったのですが、SSRNではヒットしません。まだ読んでいませんが、内容的には、同じ学者の、The Block Pricing Puzzleが近い気がします。
by NYlawyer
| 2006-02-24 15:25
| Law School