約10年ぶりのアメリカ上陸。ニューヨークでの生活、写真。


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ロースクール的コーポレート・ガバナンス論 経営判断の原則編①

取締役が株主・会社に対して信認義務(Fiduciary Duty)を負っていることは先に見たとおり。

では、取締役が株主から信認義務違反の責任を問われた場合、裁判所はどのように対応するのだろうか。そこでよく登場するのが、Business Judgment Rule(USロースクール的には"BJR")である。日本では「経営判断の原則」と紹介され、BJRに相当する概念と説明されることもあるが、次回述べるように両者は似て非なるものとするのが通説的見解である。

"Business Judgment Rule”とは、裁判所は、利害関係を有していない独立した取締役が誠実に下した判断を事後的に審査するべきではない(”Court should not second-guess”)というルールである。Business Judgment Ruleが適用される要件を充足すれば、裁判所は、ある取締役の意思決定について、「合理的な程度に慎重な一般人が同様の判断をしたか否か」という実質審査をしないことになる。

取締役がこのルールを享受するためには、取締役のなした行為が違法(illegal)なものではなく(=例えば、法令に違反する政治献金を会社が行うという行為に適用はない)、取締役が判断の対象事項に利害関係を有しておらず(disinterested)(=取締役が会社の取引の相手方である場合は適用はない)、当該判断が誠実(good faith)(=いい加減な行為に適用はない)になされたものであることが必要である。このルールは、州裁判所の下した判決の積み重ねにより形成されてきたもので州法のどこかに条文があるわけでもなく、また連邦レベルでも条文があるわけではない。

ここで注意しなければならないのは、BJRは、信認義務違反のすべてケースについて適用されるものではないという点である。すなわち、BJRは、Fiduciary Dutyの3つの義務のうち“Duty of Care”に違反したかどうかを判断する際に用いられるのみである。よって、
①”Duty of Loyalty”違反が問題となる場面-例えば日本でも「すかいらーく」で話題になったゴーイング・プライベート(MBO/LBO)-

や、
②王子製紙vs北越製紙のような、敵対的買収への取締役の対応が問題となる場面
では、BJRを適用して解決することはできない。
①は、まさに取締役が会社の取引の相手方になる場合であるし、有名なユノカル判決も②の関係で従来のBJRがどう変容したのかという意味で重要な判決なのである(参考:①については47thさんのこの記事、②については、いとう先生のこの記事)。
逆に言うと、“Duty of Care”に違反したかどうかが問題となる場面では、取締役の責任を問おうとする株主が勝訴することはまず無理であり、取締役が敗訴することは極めて稀である。

なぜ、裁判所はBusiness Judgment Ruleを採用してきたのか。(おそらく、より正確には、)裁判所がこのルールを採用してきたことをどのように説明・正当化できるかというその根拠(Rationale)については、いろいろな立場があろうが、一般的には次のように説明できると思われる。

①Business Judgment Ruleを採用することで、取締役によるリスク・テイクを後押しできる
-株主は企業の負債を返済する義務を負わず当初の出資額が戻ってこないというリスクしか負担していないため(=株主は間接有限責任を享受できる)、リスク選考・志向的である
-他方で、株主から経営の委任を受けている取締役は元来リスク回避的な生き物である(リスキーな事業で失敗し企業が倒産すると取締役は職を失うので、一番困るのは実は取締役である)が、結果的に失敗したプロジェクトにかかる判断について裁判所が事後的に審査するのでは取締役は責任追及を恐れてしまい、リスク・テイクをしつつNPV>0のプロジェクトを追求することが難しくなるので、取締役がリスクを採りやすくする必要がある(ミクロ経済的視点)
-株主は、企業に投資する段階でその企業特有のリスクを分散投資によってヘッジでき、またそうするべきであるので、取締役がリスク・テイクしやすい方策をとっても株主が害されることはない(ポートフォリオ理論)

きわめて単純化すると、取締役によるリスク・テイキングを後押しすることができれば、企業の活動が活発化するので会社・株主の経済的利益を図ることができ、ひいては社会的に富を最大化できるという主張である。

②裁判官はビジネスの専門家ではないので、実質的な判断をするのに必ずしも適任ではない
-裁判官は一般にビジネスに関する知見を有していない
-裁判官は問題となっている特定の企業の特徴について情報を有していない


ただ、このルールが実際にどのように「機能」しているのかの評価は、実はとても難しい。

(次回に続く。)
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by NYlawyer | 2006-09-27 07:46 | Law and Business