約10年ぶりのアメリカ上陸。ニューヨークでの生活、写真。


by NYlawyer

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

検索

カテゴリ

Ball Game
Central Park
Colors of New York
Law and Business
Law Firm
Law School
NYC Art
NYC Bridge
NYC Restaurant
Rockefeller Center
Thought On...
Travel
Washington Sq. Pa

以前の記事

2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 01月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2003年 12月

フォロー中のブログ

七里ヶ浜だより Lett...
ブログヨコハマ
街の風景 ~横浜・東京篇~
LAT37N”
Notes from N...
ヨコハマな日々
TJアドバイザーズ代表T...
NED-WLT
Cutting Edge
京都の旅・四季の写真集
京都写真(Kyoto P...
ウォールストリート日記
NY THEMES
お散歩日和 ー京都の風ー
Snap of 鎌倉
Tori Box
NewYorkScenery
Life @ Harva...
tempo rubato...
日常写真
IMD留学記
It's a Small...

ライフログ


パラダイス鎖国 忘れられた大国・日本 (アスキー新書 54)


見えないアメリカ (講談社現代新書 1949)


ヤバい経済学 [増補改訂版]


まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか


私塾のすすめ ─ここから創造が生まれる (ちくま新書 (723))


政治と秋刀魚 日本と暮らして四五年


ヒューマン2.0―web新時代の働き方(かもしれない) (朝日新書)


「みんなの意見」は案外正しい


ウェブ時代 5つの定理 この言葉が未来を切り開く!


The Age of Turbulence


ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書 687)


グーグル革命の衝撃 (NHKスペシャル)


獄中記


生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891)


ロングテール―「売れない商品」を宝の山に変える新戦略


ザ・ペニンシュラ・クエスチョン―朝鮮半島第二次核危機


Making Globalization Work


マサチューセッツ通り2520番地


フラット化する世界(上)


会社法入門


ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる


ビジネスは人なり 投資は価値なり―ウォーレン・バフェット


Mergers, Acquisitions, and Corporate Restructurings (Wiley Mergers and Acquisitions Library)


Corporate Governance


A Random Walk Down Wall Street: The Time-Tested Strategy for Successful Investing


Sales, Leases and Electronic Commerce: Problems and Materials on National and International Transact


The Chairman


A Window Across the River


Something Borrowed


Sisters-In-Law: an Uncensored Guide for Women Practicing Law in the real world (Sphinx Legal)


アメリカ大統領の英語―就任演説 (第1巻)


NHKスペシャル マネー革命〈1〉巨大ヘッジファンドの攻防


Corporate Finance


Commentaries and Cases on the Law of Business Organization


American Law In A Global Context: The Basics


実験国家アメリカの履歴書―社会・文化・歴史にみる統合と多元化の軌跡


アメリカ過去と現在の間


セント・オブ・ウーマン/夢の香り


東京タワー プレミアム・エディション


Esquire (エスクァイア) 日本版 10月号 [雑誌]


Gokutabi New York―行くたびに違う時間私のニューヨーク


JET STREAM NEW YORK SUCCESS STREET

その他のジャンル

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧

ロースクール的コーポレート・ガバナンス論~ヘッジファンドの台頭とコーポレート・ガバナンス①

前回の続き
もちろん、アクティビズムの台頭には明るい材料もあるのだが(例えば、エージェンシー問題の改善、無能な経営者の駆逐、非効率な経営の改善、合併・買収(M&A)による株主利益の実現といったものが期待されるところである)、アクティビスト・ヘッジファンドがM&Aに関与することで浮かび上がる問題点として、Kahanが指摘するのは次の点である。Kahan, Marcel and Rock, Edward B., "Hedge Funds in Corporate Governance and Corporate Control" (July 2006). U of Penn, Inst for Law & Econ Research Paper No. 06-16

①同一のヘッジファンドが支配権を買い(セルサイド)、株式を売る(バイサイド)という形でバイサイド・セルサイドの両者の株主であることの問題点
ヘッジファンドが既に株式を保有している会社が売りに出た場合、その会社の株主(売主の一人)であるヘッジファンドの利益は、他の株主の利益から乖離していることは明らかである。他の株主はできるだけ高い価格でこれを売るであろうし、売主の一人であり買主でもあるヘッジファンドはできるだけ安い価格でより買い進めようとするからである。このように、バイサイドとセルサイドの両方に同じ者が入っている場面を会社法の世界では”Duty of Loyalty”の問題として扱ってきた。
しかし、アクティビストファンドは当初は5~10パーセントしか保有しないから対象会社の取締役会を支配していないことの方が多いし、株主間のコンフリクトが明らかである以上他の株主や取締役会もコンフリクトに気づくので自分たちで対処することができる。
したがって、特別な対応は不要と考えられる。

②合併の賛否におけるコンフリクト(A社とB社が合併しようとするケースにおいて、ヘッジファンドがA社とB社の両社の株主である場合)
ヘッジファンドは、一方の当事会社(A社)に対しては合併に反対するキャンペーンを張って合併反対の株式買取請求権を行使しつつ、他方の当事会社(B社)に対してはB社が合併資金のファイナンスのために発行している証券をショートする(A社との合併が成功しない場合には価格が上昇する。)という戦略に出る。つまり、合併案が株主総会で承認された場合もされなかった場合も損が出ないように対応することができる。
もちろん、「たまたま」合併当事会社の双方の株式を保有していた場面は、分散投資をしている株主であれば遭遇しうるものである。しかし、通常の分散投資をしている株主とヘッジファンドが異なるのは、アクティビストファンドは、たまたまではなく、バイサイドとセルサイドに投資することを意図的に選択しM&Aに影響を与えよることを目的で株式を取得している点にある。つまり、ヘッジファンドが仕掛けているという面がある。
会社法はコンフリクトが生じる場面(Conflicted Transaction)においても議決権行使に関する場面ではこれを尊重する形で、コンフリクトを有する株主の議決権行使を認めてきた。また、取引成否に影響を与えることのできる支配株主(Controling Shareholder)も、フリーズアウト取引(スクイーズアウト取引)などの場面では、保有株式にかかる議決権の行使は認められている。であるならば、同じく株主であるアクティビストファンドの行動を特に規制しなければならないという結論にはなりにくい。
したがって、この場合も、特別な対応は不要と考えられる。

③Empty Votingという新しい問題点
Empty Votingとは、ある株主が経済的な持分(economic ownership)よりも多くの議決権を行使すること、あるいは行使できてしまう状況をいう。ここでは法律上の権利と経済的持分の乖離が生じているのであるが、金融技術の発達によって生じた新しい問題である。
例えば、B社の株主であるヘッジファンドはA社とB社の合併に賛成している。そのヘッジファンドはA社の株式を取得し、A社の株主にもなった。と同時に、A社株について証券会社との間でエクイティ・スワップをし、A社株に関する経済的利益をヘッジする。これによりこのヘッジファンドは、公式にはA社の株主であるもののその利益はヘッジしてしまったので(要はどちらに転んでも損はしない)、B社の株主としての利益だけを考えて、A社株式の議決権を行使すればよいことになる。そうすると、「B社の利益のみを考えてA社株式議決権を行使する株主の一人であるヘッジファンド」と「他のA社株式」との間には、利益相反が生じることは明らかである。
このような議決権行使は"Empty Voting”と呼ばれ、伝統的な“Vote Buying”(株式そのものと切り離す形で議決権を譲渡することは禁止される)とは区別され、現行法制度はこれを禁止していない(Vote Buyingもそのような効果をもたらすアレンジを判例が否定している)。Empty Votingについて詳しくは、Hu, Henry T.C. and Black, Bernard S., "Hedge Funds, Insiders, and Empty Voting: Decoupling of Economic and Voting Ownership in Public Companies" (August 2006). ECGI - Law Working Paper No. 56/2006
Kahanは、Empty Votingの問題についてはより検討すべき点があるものの、現時点では、ディスクロージャーを徹底させるという解決策の提示にとどめている。

④開示されることのない共同行為(Concerted Action)ヘッジファンドが同一目標に向かって株を買い進めれば、議決権の50パーセントを握ることなど一晩で簡単にできてしまう状況にあると言われる。isologueの阪神電鉄株における村上ファンドの海面急浮上戦法を思い出させますが。
こういう点は乗っ取り屋(Raider)とよく似ているが、少し違う。というのは、乗っ取り屋が5パーセント買い付けるという情報は瞬く間にマーケットに広がるが、アクティビスト・ヘッジファンドの場合は市場へのインパクトは一般にそこまでではない。また、アクティビスト・ヘッジファンドのコーポレートガバナンスに関するアジテーションは公開書簡など公開の場で行われるが、乗っ取り屋の場合は秘密裏に裏で交渉することが多い。また、ヘッジファンドは4半期ごとに株式保有状況を開示することが法律上義務付けられているが(13f)、Raiderはそうではない。
実務的にも”Group” ”acting in concert” ”investment intent”という用語の曖昧さが指摘されているところであるが、Kahanもヘッジファンドの問題というよりもこれらの概念の曖昧さに問題があると主張している。

⑤議決権の過剰行使(Overvoting)
DTCCという、日本で言うと「保振」のような株式ブローカーがその顧客の株式をコミングルする形で「混蔵保管」しておく機構、委任状勧誘や広報活動を担うコンサルティングファーム、そこに株式のショート(空売り)という色々な要素が加わると、その顧客の下には、実際に保有している株式の議決権よりも多い数の委任状が集まってしまう事態が生じ、その委任状が会社に送り返された場合にはその対応は非常に難しいものとなる。これをOvervotingという。
Overvotingは、
・株主であるのに議決権を行使できない株主を生み出してしまう。
・株式を貸株しもはや株式を保有していないはずの者が、議決権行使できてしまう。
・結局、誰が議決権行使できるのかが、不明である。

という問題点があり、これらの問題は以前から認識されていたもの、アクティビスト・ヘッジファンドの議決権行使により株主総会での賛否が接近戦となっていることと議決権行使に際して株式のショートを行うことで、問題がより先鋭化しつつあるとKahanはまとめている。
実務的にはもっともインパクトが大きいといえるだろう。

⑥グリーン・メイルの危険性
可能性としてないではないが目下のところ行われている証拠がないのが、アクティビスト・ヘッジファンドと会社の経営陣が「グルになる」というケースである。典型的には、経営陣がアクティビスト・ヘッジファンドに金を渡して会社の株式を手放してもらうことを指すのだが、会社経営陣からすれば、かつての乗っ取り屋に比べてヘッジファンドの数が多すぎとてもじゃないけどそんな対応できないし(=金が足りない笑)、ヘッジファンドにしても、レピュテーションを考えると長期的には得策ではないと考えているのだろうと、前者についてはやや皮肉っぽく(想像)Kahanはまとめている。

極端な短期利益の追求?
以上が、Kahanの分析であるが、アクティビスト・ヘッジファンドあるいはアクティビスト株主を分析するときに、その弊害としてここアメリカでも指摘されているのが、過度な短期利益追求という姿勢である。
(これは次回詳しく見る)

参考1:Corporate Raiders
参考2:Raiders, Activist Fund, I-Bankers, and Lawyers
参考3:Proxy Fight~Raiders and Activist Hedge Funds~
[PR]
by NYlawyer | 2006-11-04 16:46 | Law and Business