約10年ぶりのアメリカ上陸。ニューヨークでの生活、写真。


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MBOと取締役の信認義務(1)

少し前になってしまいましたが、友人ハリーがウォールストリート日記で触れていた「疑惑」のメディアMBOに関連して、書いてみようと思います。なお、まさか参考にする人はいないと思いますが、以下はデラウェア州法のお話ですので日本法には結びつきません。悪しからず。

MBOは、"Management Buyout"の略で、会社の経営陣や従業員が出資しあって当該経営陣や従業員が勤める当該会社を買収することを言います。が、実際には、投資ファンドが会社を買収するのに合わせて経営陣や従業員も会社に出資するといったケースの方が圧倒的に多いのではないかと思います(もっとも、GCA代表の佐山氏は、真の意味のMBOは経営陣と従業員とで100パーセント保有する形態を指すと理解しているようですが(「昨今のMBOは真のMBOにあらず―株式上場の意味と非上場化」)、ここでは触れません。また、有名な会社法関係のブログでは、MBOを”Managing Buyout”の略と説明していますが、個人的には”Managing Buyout”の略であるという説明は見たことがありません。)

MBOに関する問題点はいくつかありますが、もっとも重要な点は、売主である株主から会社経営を委託され株主利益の最大化を図るべき立場(fiduciary)にある経営陣等が会社買収の局面において買主になることにより売主(正確には売主である株主のエージェント)と買主の両者の地位に立つため、利益相反が生じるという点です(このような取引を”Conflicted Transaction”といいます)。

MBOに関するビジネス判断も会社の経営戦略に関わるものとして経営判断原則(Business Judgment Rule)の適用を受けると考えることもできますが、本人(株主)に損害を与える恐れのある利益相反取引は従来からDuty of Loyalty(忠実義務)の問題として考えられていることから、その一形態であるMBOに関する判断は、経営判断原則の適用を受けません。したがって、取締役は善意で誠実に行動したとする「推定」を受けられないことになります。そこで、どのような基準で取締役の責任の有無が判断されるかが問題となるわけですが、デラウェア州裁判所では一般的に”Entire Fairness”の基準が適用されています。以下は”Entire Fairness”のエッセンスとなる部分です。

The concept of fairness has two basic aspects: fair dealing and fair price. The former (=fair dealing) embraces questions of when a merger transaction was timed, how it was initiated, structured, negotiated, disclosed to the directors, and how the approvals of the directors and the stockholders were obtained. The latter aspect (=fair price) of fairness relates to the economic and financial considerations of the proposed merger, including all relevant factors: assets, market value, earnings, future prospects, and any other elements that affect the intrinsic or inherent value of a company's stock. (Weinberger v. UOP, Inc., 457 A.2d 701より)

“Entire Fairness”は、①プロセス("dealing"は”process”と読み替えていいと思います)と②価格(price)がいずれもフェア(fair)であることを要求するものです。経営判断原則が適用されることの意味は取締役が上記の「推定」を受けることの裏返しとして原告株主が立証責任を負うことにあったわけですが(ロースクール的コーポレート・ガバナンス論 経営判断の原則編②)、そのような推定が与えられないEntire Fairness適用の場面においては、被告取締役が①プロセスと②価格がいずれもフェアであることを立証する責任を負うこととなります。(注) これは、なかなか厳しい基準と言ってよいと思います。

それなのになぜ、MBOが批判されることがあるのでしょうか。昨今の(特にアメリカでの)バイアウト・ブームには目を見張るものがあり、今年に入ってからLBO/MBOの史上最高額は何度も更新され続けメディアの注目を(いろいろな意味で)集めていることも理由になっていると思いますが、そのような社会的事情は横におき、Entire Fairnessの要件②(価格がフェアであること)から見ていこうと思います。

(続く)

(注)より正確には、一定の条件を満たせば立証責任は原告・株主にShiftされると書くべきですが、ここではこの点に関する説明は省略しておきます。
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by NYlawyer | 2006-12-05 11:01 | Law and Business