約10年ぶりのアメリカ上陸。ニューヨークでの生活、写真。


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2007年 05月 30日 ( 1 )

Market Standard

少し前に疲れる理由として「日米M&Aのスピード感の違い」と「マーケット動向に関する知識の無さ」を挙げてみたものの、「日米M&Aのスピード感の違い」について書くのはいろいろと難しい。そこで、自分の「マーケット動向に関する知識の無さ」について書いてみることにする。

いま手伝っているPEファンドの買収にかかわるfinancingのドキュメントにも、その意味が分からない用語が結構頻繁に出てくる。
例えば、“covenant-lite”とか"financing out"とか"due diligence out"といった用語の意味が分からない。意味が分からないので先例をサンプルとして読んだり、調べてみるなりして、何となく意味が分かったとする。問題はここから先で、これらの条件が現在のマーケットでスタンダードなのかという一般論と、個別案件としてどこまで受け入れ可能なのかという個別論での「レベル感」になると、正直もうお手上げである。

例えば、"flex"を付けるのか付けないのか、"flex"を付けるとしてもクロージング後何日とするのが現在のプラクティスとして一般的なのか、僕には知る由もない。また、クライアントの方も自分のファンドが手掛けた先例・案件については把握していることが多いが、他のファンドを含むマーケット動向について熟知しているという訳でもなさそうだし、時期が経てば趨勢も変わるということで、この辺の「レベル感」についても弁護士に問い合わせたりしているようだ。ということで、「コミットメント・ペーパーをマークアップしろ」と言われてもこれらのジャッジメントは日本人には難しい。

もちろん、常識的な「落としどころ」というのはどんな分野にもあって、その落としどころに詳しいことが専門性を持つことの一つの条件なのだろうと思うし、自分の拙い経験からしてもその辺に関して依頼者から頼りにされると嬉しいものだ。ただ、「これがいまのスタンダードなんですよ」といってみてもその背景にはいろんな動機や思惑があることもあるし、ちょっと探りを入れてみてもUSの投資銀行等でM&Aをやっている人も“covenant-lite”等を知らないようだし(レンダーサイドに知り合いがいないので聞けていないが。)、本当にこれがマーケットで広く認知されていると言い切れない部分はある。
また、新しい発見があるから興味深いのだが、USマーケットや投資家の存在を前提にローンや社債がこのように商品設計されている以上、同じ仕組みが日本でそのまま通用するというわけでもない。日本でも交渉の場で「USでは●●となっているんですけどねえ」という人を見るが、それってただの・・・(以下省略)。もちろん、僕は結構ミーハーなので「日本で最初にやりたいんです」というときは、喜んでお手伝いします笑

それに、ここまで読んで感じた人もいると思うが、こういう話ってリーガルの問題なのかという気もする。アメリカの弁護士が、弁護士なのかビジネスマン(ビジネスコンサルタント)なのかよく分からなくなるのは、こういうときである。日本の弁護士も凄いレベルになればなるほど、リーガルアドバイスに加えてstrategicなアドバイスを期待されるようだが、アメリカではその辺の需要がより一般的に存在しているような気がする。この違いがどこから来るものなのかは、よく分からないが。
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by NYlawyer | 2007-05-30 02:27 | Law Firm