約10年ぶりのアメリカ上陸。ニューヨークでの生活、写真。
by NYlawyer
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LawyerとAttorney
日本では、法科大学院の制度を基にした新司法試験や司法研修所の修了試験の結果が発表されて、いろいろな評価がされているようだ。
弁護士の数が絶対的に不足しているという認識の下に、裁判官でも検察官でもなく主として弁護士の数を増やそうという考えが、司法改革/司法試験制度改革の根底にあったことは疑いがない。
そしてそれは、企業法務との関係で言えば、弁護士資格を持った人間が企業に入って行きそこでリーガル・マインドを持った人間として活躍することで法化社会が加速するのだ、という発想であったと記憶している。
最近会議に出ていた案件で、ビジネスの人(弁護士ではなくて事業部や営業部の人という意味。あるいは、リーガル部門の人ではないという意味。)が、契約書ドラフトについて弁護士に負けず劣らず交渉をリードしていた。私は最初、相手方弁護士とのやりとりや会話を聞いている間、この米国人の彼は社内弁護士であると思っていた。彼はそれくらいこの手の交渉に「慣れて」いるのだ(ちなみに「この手」という意味は値段交渉とかそういう意味ではない)。既出のランチを食べている間ちょっと雑談をしたのだが、彼は、「弁護士では契約の交渉をしているときに、この条件をtakeする・しないの最終判断ができないので、自分はビジネスの世界に移った」という。10年くらい前までは、弁護士としてプラクティスをしていたらしい。つまり、彼はロイヤー(Lawyer)ではあるが、アトニー(Attorney)ではないことになる。ロイヤーは法律家であり別に弁護士に限られない。法学の専門教育を受け法的素養のある人はロイヤーと呼ばれる。他方、アトニーは代理人弁護士であり、ロイヤーよりも狭い概念である。
だから、"Lawyers are the worst people to shop."というときはロイヤーでなくてはならず、TVのCMでよく耳にする"Call me and I will be your attorney."では、やはりアトニーでなくてはならない。
アメリカでは、例えば、「弁護士の資格を持った人間がビジネスの最前線にいるので○●#$%だ」という話や、「投資銀行出身の人間が財務責任者・CFOなどに就いているので○●#$%だ」という話が、人材の流動性の高さと合わせて語られることがよくある。今回、上のような光景を目にして「ああ、それは、こういうことなのか」と自分でもちょっと納得した。(少し脱線するが、ロイヤーが多く輩出されることで法化社会が加速することが期待される一方、これが法化社会ではなく「訴訟社会」の温床(?)となっていることも、よく指摘されるところだ。)
司法試験制度の改革で弁護士が増えることは基本的にはいいことであり、歓迎すべきことであろう。また、多様なバックグラウンドを持った人を法曹界に送り込むという方針それ自体も、歓迎すべきことである。
ただ、弁護士の資格を持ちつつビジネスパーソンとしても第一線で活躍できる人というのは、そんなに多くはないことは容易に想像できる。それは、日本でも、ここアメリカでも、変わりはない。
資格を持っていればただそれだけで良いわけではないのは、弁護士自身にも言えることだし、企業にいる弁護士資格をもった人にも妥当することだ。あるいは、投資銀行を出ていれば皆CFOになれるかというと必ずしもそうではあるまい。*
「彼らの流儀」を知り尽くしており、さらにビジネスの世界でも生きてゆける能力とタフネスとそして運を持ち成功している人間が弁護士を使いこなすような世界は、弁護士にはとても厳しいものだが、それはビジネスの人間の方もまた峻別される世界に他ならないのではないかと思われる。日本にもこういう時代が訪れる―のだろうか。
*こんなことを書くと、「弁護士もアメリカのローファームで研修すれば良いってもんじゃないだろう」と言われかねないわけですが笑、そこは皆様のご批判に委ねることとし、自分は自分の視点で法律業務だけではなく、仕事を通じてローファームやアメリカ社会というものを見、ここに書いていきたいと思っています。
だいぶ昔に読んだ本なので入手可能かどうか分かりませんが、『弁護士社会アメリカの内幕―サクセス・ネゴシエイターはいかにして生まれるか』の著者のマコーミックは弁護士でありInternational Management Groupの創設者です。 オブジェの下の通行人と連動して動くらしい (・・ウソ)
弁護士の数が絶対的に不足しているという認識の下に、裁判官でも検察官でもなく主として弁護士の数を増やそうという考えが、司法改革/司法試験制度改革の根底にあったことは疑いがない。
そしてそれは、企業法務との関係で言えば、弁護士資格を持った人間が企業に入って行きそこでリーガル・マインドを持った人間として活躍することで法化社会が加速するのだ、という発想であったと記憶している。
最近会議に出ていた案件で、ビジネスの人(弁護士ではなくて事業部や営業部の人という意味。あるいは、リーガル部門の人ではないという意味。)が、契約書ドラフトについて弁護士に負けず劣らず交渉をリードしていた。私は最初、相手方弁護士とのやりとりや会話を聞いている間、この米国人の彼は社内弁護士であると思っていた。彼はそれくらいこの手の交渉に「慣れて」いるのだ(ちなみに「この手」という意味は値段交渉とかそういう意味ではない)。既出のランチを食べている間ちょっと雑談をしたのだが、彼は、「弁護士では契約の交渉をしているときに、この条件をtakeする・しないの最終判断ができないので、自分はビジネスの世界に移った」という。10年くらい前までは、弁護士としてプラクティスをしていたらしい。つまり、彼はロイヤー(Lawyer)ではあるが、アトニー(Attorney)ではないことになる。ロイヤーは法律家であり別に弁護士に限られない。法学の専門教育を受け法的素養のある人はロイヤーと呼ばれる。他方、アトニーは代理人弁護士であり、ロイヤーよりも狭い概念である。
だから、"Lawyers are the worst people to shop."というときはロイヤーでなくてはならず、TVのCMでよく耳にする"Call me and I will be your attorney."では、やはりアトニーでなくてはならない。
アメリカでは、例えば、「弁護士の資格を持った人間がビジネスの最前線にいるので○●#$%だ」という話や、「投資銀行出身の人間が財務責任者・CFOなどに就いているので○●#$%だ」という話が、人材の流動性の高さと合わせて語られることがよくある。今回、上のような光景を目にして「ああ、それは、こういうことなのか」と自分でもちょっと納得した。(少し脱線するが、ロイヤーが多く輩出されることで法化社会が加速することが期待される一方、これが法化社会ではなく「訴訟社会」の温床(?)となっていることも、よく指摘されるところだ。)
司法試験制度の改革で弁護士が増えることは基本的にはいいことであり、歓迎すべきことであろう。また、多様なバックグラウンドを持った人を法曹界に送り込むという方針それ自体も、歓迎すべきことである。
ただ、弁護士の資格を持ちつつビジネスパーソンとしても第一線で活躍できる人というのは、そんなに多くはないことは容易に想像できる。それは、日本でも、ここアメリカでも、変わりはない。
資格を持っていればただそれだけで良いわけではないのは、弁護士自身にも言えることだし、企業にいる弁護士資格をもった人にも妥当することだ。あるいは、投資銀行を出ていれば皆CFOになれるかというと必ずしもそうではあるまい。*
「彼らの流儀」を知り尽くしており、さらにビジネスの世界でも生きてゆける能力とタフネスとそして運を持ち成功している人間が弁護士を使いこなすような世界は、弁護士にはとても厳しいものだが、それはビジネスの人間の方もまた峻別される世界に他ならないのではないかと思われる。日本にもこういう時代が訪れる―のだろうか。
*こんなことを書くと、「弁護士もアメリカのローファームで研修すれば良いってもんじゃないだろう」と言われかねないわけですが笑、そこは皆様のご批判に委ねることとし、自分は自分の視点で法律業務だけではなく、仕事を通じてローファームやアメリカ社会というものを見、ここに書いていきたいと思っています。
だいぶ昔に読んだ本なので入手可能かどうか分かりませんが、『弁護士社会アメリカの内幕―サクセス・ネゴシエイターはいかにして生まれるか』の著者のマコーミックは弁護士でありInternational Management Groupの創設者です。
by NYlawyer
| 2006-10-03 10:09
| Law Firm