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約10年ぶりのアメリカ上陸。ニューヨークでの生活、写真。


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Getting Into Another Phase? 2

Getting Into Another Phase? 2_e0036628_12333589.jpgPEファンドがPEファンドに対象会社を売却することが増えそのマーケットをSecondary Market(fund-to-fund dealing)と呼ぶが、従前、安易に他のファンドに売却しすぎではないかと指摘されていた(表現は悪いが、不動産の土地転がしと一緒ではないかというものだ)。売却に当たってファンドは各種フィーを抜くことができるので、フィーそれ自体が目的ではないかと示唆するものもある。このような言説が流れるのも、primary marketに比べてsecondary marketにおける取引の実態が、外部からはなかなか把握し難いということがある。For Sale: Again and Again and ....(September 9, 2004)
また、買い手のPEファームと売り手のPEファームの双方に出資している人たちからすると、必ずしも好ましいことではない。ファンドへの出資者からすれば、投資先企業が右のファンドから左のファンドの支配下に移動しただけに過ぎない。

もちろん、PEファンド毎に得意とするexpertiseが違うので、意味のあるsecondary dealである場合も多数存在する。例えば、再生案件に強いPEファンドが傾きかけている会社を買収し経営改善をした後に、いわば平時での経営改善のexpertiseに強みを持つPEファンドに売却するということは十分合理的であろう。

さらに、最近では、PEファームが100パーセントstakeを採らない案件も出てきているという。In Twist for Private Buyouts, Some Shareholders Fight Back (August 18, 2006)
(もっとも、"large minority stake"というのが議決権の何パーセントを指すのか必ずしも明らかではない。)
PEファームは、通常、議決権の100パーセントを握り、対象会社を支配して経営改善を進めることが予定されている(Going Privateと言われる所以)。あるいは、会社のinsiderであるmanagement teamに何パーセントか株を持ってもらうこともあるので、正確にはinsiderとPEファームで100パーセントを持つことが多いと言うのが正しい。
他に一般株主が存在しないので、経営の自由度やフレキシビリティが高めることができるからと説明される。

というのは、アメリカでは、支配株主(Controlling Shareholder)は少数株主に対して信認義務(Fiduciary Duty)を負うという解釈が判例上確立されており、支配株主が力に物を言わせて多数決で物事を進め少数株主に損害を与えた場合には、支配株主は少数株主に対してその損害を賠償する責任を負う。これは確か、ドイツでも基本的には同じはずだ。
あるいは、経営陣も、経営陣として、株主としてのcapacityで自分が利益を享受できるような行為をした場合は、self dealingを行ったものとして信認義務違反の責任を負いかねない。
100パーセント支配することで得られる「経営の自由度」や「フレキシビリティ」は、法的にはこのような責任を追うことはないことを意味していた。
しかし、比較的少数のstakeを採るだけでは他に一般株主が残るので、従来のような「経営の自由度」や「フレキシビリティ」は享受できなくなるだろう。
また、支配株主の信認義務というときの「支配株主」は過半数を握っている株主を必ずしも意味しない。会社をどの程度支配しているかという実質的判断がなされるので、過半数を取っていない少数のしかし支配的な株主も信認義務違反の責任を負う可能性はある。
"large minority stake"をとるPEファンドが、このリスクをどう見ているのか興味深いところだ。
また、最近は、Club Dealという形で複数のPEファンドがコンソーシアムを組んで投資する案件も増えているが、①コンソーシアムを組んで100パーセントを取ってしまう案件(自分の持分は当たり前だが100パーセントではない)と、②単独投資でminorityしか取らない案件への投資決定の違いが何処にあるのかも興味深いところだ。

Getting Into Another Phase? 2_e0036628_1233556.jpgまた、企業の負債が増えてきているとのレポートもある:Companies on a Borroing Binge(August 17, 2006)上、PEファンドが買収した会社の中には当初のLBOやこれに続くRecapitalizationで負債が大きくなりすぎて、Chapter11(会社更生手続き)を申請した会社がチラチラと出てきた。S&Pによれば1995年から2003年までに行われた52のデット・ディールのうち6パーセントがデフォルトしているという(コーポレートローンでは1.5パーセント)。先に100パーセント支配することのメリットを挙げたが、ただ完全支配することによっても債権者その他の第三者に対する法的責任を免れるわけではない。
現に、Chapter11に入った会社のスポンサーであったPEファームは、Recapitalizationに際してローンを出した債権者から訴えられているし、古くはKKRによるRJRナビスコの買収後に債券市場がクラッシュした後にも多数の訴訟が提起されている。クレジット市況の先行きを読むということはできないが、全体的な傾向として負債が増えている中で金利が上昇すれば、high leverageの会社によるChapter11(会社更生手続き)の申請が増えるであろう。その場合のPEマーケット全体への影響が懸念される。

あと、Divided Recapを後押しする形になっていた減税措置が廃止される可能性もあり、その場合には少し減るかもしれない。もっとも、アメリカはこれから選挙があるので、減税措置廃止は考えにくいとも言える。

Dividend Recapが全て違法とされることはまあないとは思うが、Get-rich-quick schemeとして批判の対象となっていることも又間違いなく、もはや理屈では説明しづらいレベルまで達することがあれば何か動きがあるような気が個人的にはしている。
by NYlawyer | 2006-08-22 12:37 | Law and Business